債務整理ガイド

結婚を控えている人の債務整理の注意点。結婚に影響するのか?

好きな相手と念願が叶って婚約をすることができ、これから新生活に向けて楽しみだと浮かれたいのに借金のことが頭にちらついてなかなか浮かれることができない状況はとても辛いものです。
できれば早く借金を片付けてしまいたいものですが、簡単に返しきれる額でないと新生活に入る前に問題を解決するのは難しいでしょう。
そこで債務整理を行って借金の問題を早く片付けようとした時、新生活に影響が出るのではないかという懸念が残ります。
本当に影響が出てしまうのか、気になる点をご説明します。

任意整理は結婚には殆ど影響しないし借金がバレることはない

債務を整理するためには任意整理、自己破産、個人再生の3種類から、現在抱えている借金の状況に応じて選択して、整理を行う必要があります。
任意整理は裁判所を挟まずに直接債権者、つまりお金を借りた先と協議をして借金の減額を交渉するものであり、成功すれば自分が返しやすいように金利分がなくなったり借金そのものの額が減ったりなどメリットがあります。
これは債務者と債権者が直接交渉をしても良いのですが、法的な知識や交渉力のない債務者が交渉を行うとまず失敗するため司法書士や弁護士を通して交渉を行うのが一般的です。
司法書士や弁護士は交渉のプロでもありますので、直接本人が交渉するよりも成功率をぐんと上げることができます。
何よりも大きいメリットとして、任意整理は裁判所を通さないので、借金をしていた事実を誰にも知られることがないということです。
個人再生や自己破産は裁判所を通すため、官報に名前が乗ってしまい婚約者が官報に目を通すことや触れる機会のある仕事をしていると知られる可能性があります。
司法書士や弁護士には守秘義務があるので顧客の情報を外部に漏らすこともありませんし、万一婚約者が情報を求めて連絡をしてきたとしても明かすこともないので安心ができます。
所得制限もないので貯金どころか資産と呼べるものが何もないという状況にはならず、自由にお金を残しておけるので借金を勘繰られる心配もないのです。
ただ、法的な拘束力がないため交渉に応じてくれないこともあり、必ずしも成功する方法でないことだけは覚えておかなければなりません。

個人再生と自己破産で影響が出る場合

個人再生と自己破産は裁判所を通すため法的な拘束力があり、任意整理のように債権者が応じないという状況を作ることがありません。
債権者は裁判所からの通達に応じて、個人再生の場合は3分の1から5分の1程度まで減額することが可能であり、自己破産は借金そのものを免除することが可能です。
任意整理は借金の減額を交渉するものですから、どの程度の減額が見込めるかは交渉次第でありはっきりとしたラインが定まっていません。
借金を確実に減額もしくは失くしてしまいたいのなら個人再生か自己破産を使うのが良いと言えます。
しかし先程も説明した通り、官報に乗る可能性があるので債務を整理したという証拠を残してしまうことにもなり、婚約者に知られる可能性は少なからずあります。
自己破産の場合は、借金を失くすことができる代わりに持てる資産も20万円までと制限が出てしまうので、貯金や車、バイク、保険などに影響が及ぶ場合も少なくありません。
家を持っていた場合は手放さなくてはならないので、借金がなくなるからいいやと安易に自己破産をしてしまうと、何もかもを失った状態で結婚することになってしまいます。
家があるから、と言っていたのに家もなく家を売ったお金もないとなれば、流石に婚約者も訝しがりますし借金の存在にも気付く可能性は高くなります。
仮に家がなくてもブラックリストに入ってしまうとローンを組んだりクレジットカードを作ったりすることができないので生活にも影響が出てくるでしょう。

結婚前に債務整理した場合

個人再生や自己破産を行うと少なからず影響が出てしまうので婚前に行うのはまずいのではないか、と考えてしまったかもしれません。
ですが、実際に新生活をスタートさせてから借金の整理をしようとすると様々なトラブルが発生することが考えられます。
きちんと相手が借金の存在を知った上で婚姻関係を結んだのならば良いのですが、全く知らないで婚姻関係を結び、新生活をスタートさせたとしたら最悪の場合、婚姻関係の破棄ということもあり得ます。
借金を整理したことを知られる可能性はないとは言えませんが、それでも婚前にしておくことで気付かれるリスクは低くなりますし、何よりも新生活を始めて同居した時点で家に督促状や借金返済の電話が掛かってきた時に相手が取ってしまうほうが恐ろしいことでしょう。
ローンやクレジットカードが使えなくなるため、一緒に生活をして家を買おうという話になった時に気付かれる可能性も出てきますが、早めに債務整理を行っておくと制限をされる時間も前倒しになるのでその分早くブラック状態が解消されます。
二人の新たな門出に影を落とさないようにするには婚前に決着を付けておくのが一番と言えるのです。

結婚相手が債務整理をしていたなら?

自分ではなく相手が整理をしていた場合、どのような影響があるのかと気になるでしょうが、結論から言えば夫婦であっても借金の問題は別なので互いの借金を背負う義務はありません。
婚前にしていた借金を相手が支払う義務はないので、たとえば妻が婚前に自己破産をしていたとしてもその影響で夫がクレジットカードを作れなくなったり住宅ローンが組めなくなったりするわけではありません。
これは民法で夫婦の財産は別と考えられているため、借金という負の財産も背負う必要がないので、自分に支障が出るわけではないのです。
相手が任意整理や個人再生などを利用していたとしても自分には全く関係なく、問題はないと思っても良いでしょう。
逆に自分が借金をし、それらの手段を使って解決を図ったとしても相手には影響がないのでそれほど心配する必要はありません。
しかし、どの方法を使ってもブラックリストに入るので、債務を整理した人がクレジットカードを作ったりローンを組んだりできないことが場合によってはデメリットになることもあるでしょう。
たとえば、収入が夫のほうが多いから住宅ローンを夫の名義で組みたくても、夫がブラックリストに入っていると審査落ちしてしまうので妻の名義で組む以外になくなってしまいます。
当然夫婦でローンを組むことも片方がブラックリストに入っているとできませんので、審査落ちしてしまいます。
妻の収入が低いと、ローンも大金を借りられないので思うように住宅購入ができないなどの弊害も出てきます。
自分には関係がないと思っていても意外なところでデメリットに遭遇する可能性はあります。

まとめ

債務を整理することで直接結婚には影響はしませんし、婚約者に気付かれる心配もほぼないと言っても過言ではありません。
新生活を始める上でデメリットとなることは出てきますが、まずは借金そのものを返済するかなくしてしまうかの選択をした方がその後の二人の関係が壊れずに済むので早急に対処をした方が良いと言えるでしょう。
借金の存在を最後まで隠し通せるなら黙っていても構いませんが、新生活を始めた後に疑問に持たれて誤魔化せないのであれば素直に打ち明けた方がベターです。
債務整理を行っても特に支障が出るわけではないことをきちんと説明することができれば、好感触とは言いませんが事実を受け入れてくれる可能性も皆無ではないでしょう。
まずは借金の問題を片付けて憂いを失くすことから始めるようにしましょう。